実大実験

地域の森の木で作る伝統工法の家。伝統工房有限会社谷川設計事務所

木構造実大実験

| 日時:2003年9月11日(木)晴
| 場所:岐阜県立森林文化アカデミー

実験目的

土壁、格子壁、落し込み板壁の壁倍率が改定され新たに国土交通省告示第1100号に規定されました(この時点ではまだ国土交通省告示として認定されていません)。 筋かい、土壁、貫に注目し、その構造性能を実験を通して確認し、今後の設計活動に生かしていくことを目的とする。


試験体No.1 片筋かい(90*30)+HD(ホールダウン)金物

 

層間変形約1/18(水平方向の変形量/高さ)で筋かいは間柱を押して破壊しました。

| 柱:桧120mm*120mm
| 土台:桧120mm*120mm
| 梁:杉120mm*180mm
| 筋かい:桧90mm*30mm(筋かいプレートBP2)
| 間柱:桧45*45
| 柱脚柱頭:ホールダウン金物(HD-15)


試験体No.2 貫+土壁

 

土壁の破壊状況。地震時には土壁が初期地震力を負担します。

| 柱:桧120mm*120mm
| 土台:桧120mm*120mm
| 梁:杉120mm*180mm
| 貫:杉15mm*100mm(杉くさび打ち)
| 柱脚柱頭:かし15mm角 込み栓打ち
| 土壁両面塗りの上中塗り(毛伏せ)
| 間渡し竹:幅20mm以上
| 小舞竹:幅20mm以上@450mm以下


試験体No.3 貫+土壁+HD金物

 

土壁の破壊状況。写真で左上と右下に土壁の隙間ができているのがわかります。

| 柱:桧120mm*120mm
| 土台:桧120mm*120mm
| 梁:杉120mm*180mm
| 貫:杉15mm*100mm(杉くさび打ち)
| 柱脚柱頭:ホールダウン金物(HD-15)
| 土壁両面塗りの上中塗り(毛伏せ)
| 間渡し竹:幅20mm以上
| 小舞竹:幅20mm以上@450mm以下


試験体No.4 筋かい+貫+土壁+HD金物

 

壁の破壊状況。筋かい上部は梁を突き上げて、梁端部を破壊しています。

| 柱:桧120mm*120mm
| 土台:桧120mm*120mm
| 梁:杉120mm*180mm
| 貫:杉15mm*100mm(杉くさび打ち)
| 筋かい:桧90mm*30mm(筋かいプレートBP2)
| 柱脚柱頭:ホールダウン金物(HD-15)
| 土壁両面塗りの上中塗り(毛伏せ)
| 間渡し竹:幅20mm以上
| 小舞竹:幅20mm以上@450mm以下

試験体No.5 貫

 

楔(くさび)は、圧縮される側はつぶれ、引っ張り側は弛んでしまいました。

| 柱:桧120mm*120mm
| 土台:桧120mm*120mm
| 梁:杉120mm*180mm
| 貫:杉15mm*100mm(杉くさび打ち)
| 柱脚柱頭:かし15mm角 込み栓打ち


実験結果の壁倍率

| 試験体No.1 片筋かい(90*30)+HD(ホールダウン)金物  1.64
| 試験体No.2 貫+土壁  1.74
| 試験体No.3 貫+土壁+HD金物  2.64
| 試験体No.4 筋かい+貫+土壁+HD金物  4.01
| 試験体No.5 貫  1.08


壁倍率1とは

壁の長さ1mについて200kgの水平力が働いたとき、1/120の変形量を壁倍率1としています。例えば筋交い30*90mmは壁倍率1.5と建築基準法で定められています。他に材料ごとの壁倍率が定められており、木造住宅では使用する材料の壁倍率に基づいて必要壁量計算を行い、安全を確認します。


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